毎日新聞・1月8日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長 井上俊樹

【「レカネマブ」一筋の光 認知症と生きる】「投与を始めて6カ月です。気になるところはありますか?」。昨年8月、大阪医科薬科大病院の「もの忘れ外来」で、医師が女性患者(78)と向き合っていました。女性は軽度の認知症と診断され、2月からアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の点滴を受けています。「自分ではあまり変化は感じないです。でも、イライラしてこの人に当たることは、減ったように思います」。女性は付き添いのめい(54)を振り返りました。新薬の登場は、病気の当事者やその家族に福音をもたらすのでしょうか。患者と家族の思いを追いました。(1、2面)