【朝日新聞・イチ押し】1面に連載「2021衆院選 危機の時代に」①

東京・池袋の公園に昼下がり、列をつくる人たちがいました。コロナ禍で苦境に陥った人たちが無料の炊き出し弁当を求めて数時間待ち続けているのです。9月下旬のこの日、炊き出しや相談に訪れた人は416人と、リーマンショック後では初めて400人を上回りました。コロナ禍以前はみられなかった女性の姿も目立ちます。彼らをここまで追い詰めるまでに、セーフティ・ネットは機能したのでしょうか。そして困窮する人たちを支えるための財源はどのように算段すべきなのでしょう。

 私たちはいま、さまざまな危機に直面し、行動や価値観の変化を求められています。では社会の何を変え、何を守らなければならないのか。19日公示、31日投開票の衆院選を前にシリーズで考えます。