毎日新聞・3月10日付朝刊「今日のイチオシ!」 統括社会部長 佐藤敬一

イラン聖職者の機関「専門家会議」が9日、米国とイスラエルの攻撃で死亡した最高指導者アリ・ハメネイ師の後継者として、次男のモジタバ・ハメネイ師(56)を第3代指導者に選出したと発表しました。トランプ米大統領はモジタバ師を受け入れない考えを示していて、攻撃の標的になる可能性もあります。

 最高指導者は、国政や外交の最終決定権を持つ国家元首です。憲法の規定で、学識を持つイスラム法学者しか就任できません。モジタバ師は反米強硬派で知られ、イランとしては、ハメネイ師の路線継承を打ち出した形です。ただ、権力の「世襲」に対して国民の間で支持が広がるかは見通せません。

 一方、反米強硬派のモジタバ師が後継者に選出されたことから、軍事衝突の長期化懸念を受けた原油高が世界経済を大きく揺るがしています。物価高と景気後退が同時に進む「スタグフレーション」への不安から9日の日本市場では株価が暴落しました。

 イランの新たな指導者の選出が今後の戦闘に、そして世界経済にどう影響するのか。今後の情勢を探りました。(1、2、3面)