毎日新聞・2月26日付朝刊「今日のイチオシ!」デジタル編集本部長 井上俊樹

【無期懲役死後再審開始へ 84年強殺無罪公算大 日野町事件】

 死刑や無期懲役が確定した戦後の事件で初めて「死後再審」が始まることになりました。滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性が殺害された「日野町事件」で、強盗殺人罪で無期懲役が確定し、服役中に75歳で病死した阪原弘さんの再審請求審で、最高裁は24日、再審開始を認めた大阪高裁決定を支持する決定をしました。大津地裁で裁判がやり直され、無罪が言い渡される公算が大きくなりました。

 「うれしくて涙が出ました。お墓参りをして『父ちゃんやったね』と伝えたい」。逮捕からおよそ38年。無実を訴えて再審請求しながら道半ばで亡くなった阪原さんの遺志を継ぎ、第2次となる再審請求審を闘ってきた遺族も最高裁の決定を喜んでいます。再審制度を巡っては、政府が刑事訴訟法改正案を特別国会に提出する方針を示しています。無実を信じ続けてきた遺族の思いを伝えるとともに、今回の決定が国会で始まる制度見直し議論に与える影響も展望しました。(1面、3面、社会面)