毎日新聞・1月12日付朝刊「今日のイチオシ!」デジタル編集本部長 井上俊樹

【原発被災地覆うパネル 太陽光発電 住民と摩擦】2011年3月の東京電力福島第1原発事故で全町民約7100人が避難し、一時「住民ゼロ」になった福島県双葉町。「使わない土地を太陽光発電に活用しませんか」「1反あたり年20万円でお借りします」。県内外で散り散りに暮らす町民に、数年前、こんな営業の電話や郵便物が舞い込むようになりました。

 「狙われているんです。人がほとんど住んでいないですから」。町で行政区長を務める男性はつぶやきます。通りに住民の姿がない町でいま目立つのは、整然と並ぶ太陽光パネルばかりです。今後住むことはないと土地を貸す住民がいる一方で、故郷への帰還や農業再興を望む町民は「家の隣にパネルが並んで反射がまぶしい」などと不満を募らせています。連載「テラ・クライシス」の7回目は、太陽光発電を巡って各地で起きる業者と住民との摩擦を取材し、太陽光発電と地域が共存できるヒントがないか探りました。(1、3面)