毎日新聞・11月20日付朝刊「今日のイチオシ!」デジタル編集本部長 井上俊樹

【日本の水産物輸入再停止 中国通知「台湾」答弁に対抗】高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁に反発する中国が、日本産水産物の輸入停止に踏み切りました。中国は、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴い続けてきた日本産水産物の全面禁輸措置を解除し、今月、ホタテの対中輸出が再開されたばかりでした。

 一方、対抗措置の応酬により経済制裁がエスカレートすることを警戒する日本政府は、冷静に中国側の出方を見守る構えを見せています。日本の水産業者も輸入停止中に輸出先の多角化を進めており、「もう中国に依存していないので心配していない」と話す業者もいます。国内経済が低迷し、各国企業の積極的な誘致を進めてきた中国側にとっても、日本企業に直接打撃を与えることは「もろ刃の剣」になりかねず、自国経済への影響を最小限に抑えるカードを周到に選んでいるようにも見えます。(1、2面)