毎日新聞・10月3日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局総務 柳原美砂子

【米政府閉鎖 民主に報復 トランプ政権 重視事業を凍結】米連邦政府の一部機関閉鎖問題で、トランプ政権は1日、野党・民主党が重視してきた事業を凍結する報復措置を公表しました。共和、民主両党の妥協のめどが立たない中、政権は政府閉鎖を逆手に取り、民主党への圧力を強める考えです。

 ホワイトハウスのボート行政管理予算局長は1日、X(ツイッター)で、ニューヨーク州のトンネルと地下鉄の整備事業費計180億ドル(約2兆6500億円)を凍結したと表明しました。バイデン前政権下で、国家的なプロジェクトと位置づけられていた事業でした。

 エネルギー省も1日、クリーンエネルギー関連の事業で321件の財政支援を終了したと発表しました。影響を受けるのは、2024年大統領選でトランプ大統領が敗北した16州です。

 トランプ政権は今回の閉鎖をそのまま恒久的な政府機能縮小につなげようとしており、ボート氏は1日、共和党議員に「1~2日以内」に大幅な連邦政府職員の削減に着手すると伝えました。

 1日は主要な行政サービスが手元の資金などで維持され、目立った混乱は見られませんでしたが、長期化すればサービスの停止や遅延が広がる恐れがあります。(一面、国際面)