【ながら運転が奪った少年の一生 両親「過失でなく危険運転」】 2024年3月、小学校2年生の男の子が学校からの帰り道でダンプカーにはねられました。一命を取り留めましたが、意識が戻らずに体もほとんど動かず、病院での生活が続いています。
事故を起こした車の運転手は携帯電話で長時間、会話をしながら走っていました。危険で悪質にみえる運転ですが、「不注意」と判断されました。車の運転で人を死傷させた場合の法律に、「ながら運転」を厳しく罰する規定が設けられていないからです。
事故の約5カ月後、運転手には禁錮2年4月の判決が言い渡されましたが、両親は「息子が失ったものや一生とは比べものにならない」とやりきれない思いでいます。携帯電話を片手に約20分間も通話しながら車を走らせ、赤信号を見落としていた運転手。「やってはいけないことを複数したのに、危険運転にならないのか。なぜ過失なのか」。ながら運転を厳しく罰してほしい。両親はそう願っています。(社会面、大阪本社紙面は9月29日付)