毎日新聞・9月11日付朝刊 「今日のイチオシ!」 編集局次長 田中成之

【イスラエルがカタール空爆】

 イスラエルが中東の産油国カタールを唐突に空爆しました。パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの幹部が滞在する住宅を攻撃するためです。イスラエルはこれまでも他国の領域内での実力行使をしてきましたが、今回の異例さは米国の同盟国を空爆したことです。カタールには中東最大の米軍基地がある一方、各地のイスラム組織とのパイプを持ち「仲介国」として存在感が高まっていました。そこにイスラエルは航空機10機以上を使った攻撃をしかけたことになります。各国は非難し、親イスラエルの立場を隠さないトランプ米大統領でさえ「非常に不満だ」と記者団に語りました。イスラエルの暴走はどこまで続くのか。10日現在の世界の状況を一面と三面で切り取っています。