毎日新聞・9月2日付朝刊「今日のイチオシ!」 大阪編集担当局長 長谷川豊

【クマ対策で新駆除制度/住宅街でも市町村判断で発砲/課題残して見切り発車】 

 クマの駆除を巡り、警察官が不在でも市町村の判断と責任で生活圏でも発砲することができる緊急銃猟と呼ばれる新制度が1日始まりました。背景にあるのはクマと人のあつれきの高まりで、東北・北海道で市街地へのクマ出没が相次ぎ、今夏には死亡事故が立て続けに起きました。緊急銃猟を実施する前には市町村は住民に避難指示を出しますが、従わない住民がいれば銃弾が当たらない可能性もゼロではありません。こうした場合のハンターの身分保障や自らがけがをした場合の金銭補償の仕組みは整っていないままの制度開始となり、猟友会からは批判の声が出ています。人とクマの共生は可能なのでしょうか。課題をまとめました。(3面、社会面)