毎日新聞・13日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長・堀雅充

【越境攻撃されても「ウクライナは友」/露クルスクが抱える特殊な事情】

 侵攻を受けたウクライナによるロシアへの越境攻撃から1年。旧ソ連時代は境界の意識もなく入り交じって暮らしていた両国の人たち。戦争の現場となった今、何を思うのでしょうか。記者がロシア・クルスク州に入り取材しました。

 ウクライナによるドローン攻撃で自宅マンションの窓や車を破壊された34歳の女性は「生死の分かれ目がある。出かける時は、どこに身を隠せるかと考えるようになった。忍耐が必要で、とてもつらい」と語りました。

 ウクライナ出身という女性は、先祖代々の墓がある故郷の村が侵攻した露軍の占領下に入り、思い出の景色は戦闘で破壊されたのだそうです。「どちらの側に立ってもつらい」「本当に、本当に、いつか全てが終わることを願っている」と複雑な心情を吐露しました。

 ロシアメディアは、多くの民間人がドローン攻撃の犠牲になり、子どもの死者も出たと報じています。記事では犠牲者や破壊の規模のほか、避難している人の現状や声なども紹介しています。(2面、国際面)