【核時代知らず幕開け/米の世界初実験トリニティ/長崎と同型 住民襲ったちり】
米軍が長崎に原爆を投下してから9日で80年を迎えます。80年前の7月16日、米ニューメキシコ州の集落トゥラローサにすさまじい音と揺れが襲いました。近くの砂漠で世界初の核実験が行われたからです。
極秘で進めた原爆開発プロジェクト「マンハッタン計画」が最終段階を迎え、実験のコードネームは「トリニティ」。実験地の風下に暮らす住民が、長崎に落とした原爆と同型の爆弾による核実験の事実を知らされたのは戦争が終わってしばらくたってからでした。1990年に制定された補償法の対象に今夏、ようやくこの地域の風下住民も対象に含まれることに。特派員が現地を歩き、核実験の被害に対し、補償を勝ち取った運動の中心人物を取材し、「私たちは沈黙しない」という決意を紙面で伝えます。広島や長崎だけでなく、実験の製造過程でも被害をもたらした核兵器。世界初の核の被害とは何だったのか。米国からのリポートで迫ります。(一、三面)