毎日新聞・7月6日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長 坂本高志

【婚外子差別と闘い40年 元武蔵野市職員の田中須美子さん】

 日本では、事実婚など法律婚をしていない女性が産んだ「非嫡出子」(婚外子)を嫡出子(婚内子)を分ける行政上の取り扱いが長く続いてきましたが、その差別と闘い続けた自治体職員がいます。東京都武蔵野市の元市職員、田中須美子さん(77)。住民票や戸籍上の区別を「法の下の平等を定めた憲法に反する」と訴え、一つ一つ改善を実現させてきました。「子どもはみーんな平等だ」を掲げ、40年以上続いている田中さんの運動の軌跡をたどります。