【国の少子化対策「通園制度」 補助金「不足」自治体7割 本紙調査 事業者負担重く】親の就労を問わず保育施設などに子どもを預けられる「こども誰でも通園制度」について、2024年度に試行した全国118自治体のうち、約7割の81自治体が、事業者への国の補助金が不十分と考えていることが毎日新聞のアンケート調査で判明しました。利用実績がないと補助金が払われず、保育士を維持する人件費が事業者にのしかかるためです。
制度は「全ての子どもの育ち」を支えようと国が進める「異次元の少子化対策」の目玉の一つです。専業主婦(夫)や育休中など親の就労状況にかかわらず、生後6カ月~3歳未満の未就園の子どもを、市区町村が指定する保育所や認定こども園、幼稚園などで、月10時間を上限に預かります。2023年度に一部自治体で施行が始まりました。
事業者への補助金は、24年度が子ども1人につき1時間当たり850円で、子どもの利用実績に応じて支給されるしくみです。アンケートでは「補助金や利用料より、人件費や光熱水費が圧倒的に多い」(北海道登別市)といった指摘がありました。こども家庭庁は25年度の補助金を増額しましたが、札幌市や北九州市などはそれでも十分ではないとしています。26年度から全自治体で本格実施の予定で、課題の解消が急務です。(一、二面)