毎日新聞・6月18日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局総務 柳原美砂子

【日米、関税合意持ち越し 首脳会談 自動車折り合えず】石破茂首相は16日午後(日本時間17日午前)、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開幕したカナダ西部カナナスキスでトランプ米大統領と約30分間、会談しました。トランプ政権による自動車関税や「相互関税」の引き下げに向けた協議については合意に至らず、閣僚間の協議を続けていくことで一致しました。日本政府関係者によると、自動車関税の引き下げに米側が難色を示しているといいます。

 会談後、首相は記者団の取材に応じ、「今なお双方の認識は一致していない」と認めました。今後の合意の見通しについても「いつまでにということを申し上げるのは困難」と明言を避けました。

 サミットでの首脳間の合意という目標を失った石破政権は、ベッセント米財務長官が相互関税の上乗せ分の停止期限(7月9日)を延長する可能性に言及したことに期待しています。一方で、米国側から何も言質を得られず、7月9日に上乗せ分が再発動される恐れもあります。石破政権は7月3日告示、同20日投開票が想定される参院選をにらみつつ、難しい交渉を続けていくことになります。(一面、三面)