【備蓄米放出、5キロ平均891円/店頭2000円水準/政府、毎日随意契約】
農林水産省は政府備蓄米の売り渡しを一般競争入札から随意契約に変更しました。大手小売業者を対象とした売り渡し数量は30万トン。売り渡し価格の平均は5キロ換算で税抜き891円としています。小売業者が袋詰めや精米などに要した経費や利益を上乗せする額を考慮すると、農水省は小売店に並ぶ価格について「5キロ2000円程度(税込み2160円程度)」になると試算しています。
ただこれは、備蓄米のみを商品化した際の想定です。店頭では4000~5000円台でコシヒカリなどの銘柄米が販売されています。また、既に入札で放出された備蓄米入りのブレンド米が3500円程度で売られています。
今回、随意契約する備蓄米の価格が安いのは古米だからです。消費者が求める市場全体のコメ価格低下には、これまで高値で仕入れ、「卸売業者などが流通の過程で目詰まりさせているコメ」(江藤拓前農相)が、市場にある程度安い価格で出てくることが求められるのですが、はたして思惑通りに進むのでしょうか。コメを巡る現状や対策、政治的な動きなどを深掘りしました。(1面、3面)