毎日新聞・6日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長・堀雅充

【太平洋戦争の激戦地ペリリュー島/日本とパラオが遺骨収容で協力合意】

 太平洋戦争で日米が激戦を繰り広げたパラオ・ペリリュー島で確認された日本兵の集団埋葬地を巡り、政府は5日、遺骨収容に向けた協力をパラオ政府から得ることで合意しました。厚生労働省は早ければ2027年度までに、埋葬されているとみられる約1000体全ての収容作業を終えることを目指します。

 沖縄や硫黄島を含む海外での戦没者は約240万人で、約112万体(今年3月末現在)を収容できていません。そのうち、沈没した艦船など海に眠る「海没遺骨」は約30万体、現地の状況から収容困難な遺骨は約23万体とされています。厚労省はこれらを除く約59万体を中心に現地調査や収容を進めています。

 戦没者の遺骨を巡っては、戦没者遺骨収集推進法が16年に議員立法で成立。遺骨収容を「国の責務」と規定し、各国の国立公文書館などで資料調査を進め、24年度までに集中的に収容を進めるとしていました。終戦から80年の節目に取り組みの進展が期待されます。紙面では、なぜ作業が難航しているのか、これまでの経緯を振り返り、今後の課題を深掘りしました。(1面、3面)