【「命の値段」は平等 性差の慣例破る】
14年前の3月11日、宮城県石巻市立大川小の児童74人、教職員10人が東日本大震災の津波で犠牲になりました。児童23人の遺族は避難を巡る責任を問い、県と市に賠償を求めて2019年に勝訴判決が確定しました。この裁判では教育現場の防災のあり方が本格的に問われましたが、隠れた論点がありました。それは「命の値段」の格差です。子どもが命を落とした裁判では平均年収推計に基づき賠償額が算定され、性別で「命の値段」に差がつくはずでしたが、大川小の裁判では命の値段は男女で平等との考え方が取られました。5月3日は憲法記念日。憲法14条は「法の下の平等」を保障しますが、戦後80年の時代の移り変わりとともに「平等」がどう変わってきたかを考えました。(1面、特集面)