毎日新聞・1月28日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長・堀雅充

【社長、発生2カ月後にトラブル把握 フジ社長と会長が引責辞任】

 フジテレビは27日、元タレントの中居正広さん(52)と女性のトラブルに社員の関与が報じられた問題で信用の失墜を招いたとして、港浩一社長と嘉納修治会長が引責辞任すると発表しました。

 長時間開かれた記者会見で、港社長はトラブルについて「人権侵害が行われた可能性のある事案だった」とした上で、自身の対応について「人権への認識が欠けていた。放送業界の信用失墜にもつながりかねない事態を招いた」と述べて謝罪。今後については「第三者委員会の調査に全面的に協力して、真実の解明と再発の防止、企業風土の刷新に向けて尽力したい」と語りました。

 会見では、港社長へのトラブルの報告が、会社として2023年6月にトラブルを把握してから2カ月後だったことも明らかになりました。中居さんからも23年7月に情報が寄せられましたが、認識が女性と異なっていたことなどから正式に調査しなかったと説明しました。一方、社員のトラブルへの関与については改めて否定しました。

 紙面では、記者会見の詳細な内容や経営への影響、専門家の見方なども紹介しています。(1面、3面、社会面)