毎日新聞・4月8日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長・堀雅充

【ガザ戦闘半年/飢餓、餓死が現実になる恐れ】

 イスラエルと、パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスの戦闘は、7日で半年になりました。「すべてが限界を超えています」。ガザ地区の最南部ラファに先月入った国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の保健局長で医師の清田明宏さんは、電話取材にそう語りました。清田さんによると、南部にあるUNRWAの各学校には市民3~4万人が殺到。トイレは900人に一つ、シャワーは5000人に一つしかなく、不衛生な環境から、A型肝炎や下痢、呼吸器感染症などがまん延しているといいます。

 

 食料不足も深刻で、国連の機関は先月の報告書で激戦地となったガザ北部で5月末までに、南部など他の地域でも7月までに飢饉(ききん)となる可能性があると指摘しました。記事ではその理由や背景事情を詳しく紹介しています。(三面)