毎日新聞・3月25日付朝刊「今日のイチオシ!」 コンテンツ編成センター長・猪飼順

【児相一時保護中の通学6% 自治体7割意向を確認せず】

 虐待などの理由で2022年度に全国の児童相談所が一時保護した小中学生は延べ約2万8000人で、このうち一時保護中に週4日以上学校に通ったのは1244人にとどまることが、毎日新聞の調査で判明しました。通学したいかどうか意向を原則確認しているのは、児相を持つ78自治体のうち約3割の24自治体で、学校で教育を受ける権利が十分に保障されているとはいえない状況が浮かび上がりました。

 一時保護は、子どもの安全を確保したうえで、心身や家庭の状況を把握し、その後の対応を決めることを目的とする。子どもは、児相の一時保護所か、委託を受けた施設や里親家庭などで生活する。児童福祉法で原則2カ月以内と定められていますが、国の調査によると21年度は一時保護件数の14%が2カ月を超えました。半年以上になることも珍しくありません。その間に学校に行けないという問題がたびたび指摘されてきましたが、詳しい実態は分かっていませんでした。

 毎日新聞は23年11月~今年1月、児相を設置する78自治体に調査。自治体によって大きな差が生じていることが分かりました。(1、3面)