毎日新聞・7月17日付朝刊 コンテンツ編成センター長 猪飼順 【九州北部大雨・土石流 逃げ遅れたのはなぜ】

九州北部に甚大な被害をもたらした記録的大雨から、17日で1週間。土石流が発生して男性1人が死亡し、5人が重軽傷を負った福岡県久留米市田主丸町竹野地区では、多くの住民が逃げ遅れ、一歩間違えれば被害がさらに拡大していた可能性もありました。山裾の地域で土砂災害への意識は高かったといいます。前日夜には裏山でバリバリという音がするなど、前兆を感じながらも、避難行動を始める「避難スイッチ」は発動しませんでした。危険な状況でも少しの変化なら「日常のこと」と認知する「正常性バイアス」が働いていた可能性も浮かんできました。(12版から社会面)