毎日新聞・5月21日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集編成局次長・堀雅充

【ゼレンスキー大統領が来日】

 ウクライナのゼレンスキー大統領がG7広島サミットに参加するため初来日しました。さっそくイタリアや英国、インドなどの首脳と会談するなど積極的な外交を繰り広げています。一方、G7は閉幕前日の20日に前倒しで首脳宣言を発表する異例の対応を取ったため、21日はゼレンスキー氏の一挙手一投足に注目が集まることになりそうです。

 

 ゼレンスキー氏の訪日は、侵攻を続けるロシアに対する反転攻勢を前に、西側諸国からの軍事支援を強化するための外交キャンペーンの総仕上げという意味合いがあります。もう一つの狙いはサミットに招待されている「グローバルサウス」と呼ばれる新興国・途上国との関係強化です。グローバルサウスには、国益などを理由にG7主導の対露制裁に加わらず、ロシアとの関係を維持する国が少なくありません。対露制裁を拡大し、今後の停戦交渉などを有利に進めるためにも、こうした国々を味方に付けたいとの考えているようです。紙面では日本政府の思惑や専門家の見方なども紹介しています。(1、3面)