毎日新聞・4月20日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集編成局次長・木戸哲

【雇調金でタワマン】

企業が休業した従業員に支払う手当を国が補てんする「雇用調整助成金」。1人当たり約8000円だった1日当たりの上限額は、コロナ下で雇用維持のための特例措置として1万5000円に引き上げられました。この雇調金の受給後にタワーマンションに引っ越したり、数千万円を持ち逃げしたりした経営者がいる――。雇調金の申請を受け付けている各地の労働局の職員からはこんな声が上がっています。取材を進めると、コロナ下に乗じた「錬金術」の巧妙な手口が明らかになりましたが、不正を追う労働局の限界も見えてきました。雇調金を巡る問題を詳しく取材しています。(12版から1面、3面)