毎日新聞・2月21日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集編成局次長・草野和彦

【侵攻が変えた世界/制裁の影 ロシアの庶民にじわり】西側諸国はこの1年、ウクライナに侵攻したロシアに対する経済制裁を強化してきました。ですが、モスクワ中心部のレストランは賑わい、一見、制裁は効果をあげていないように見えます。ただ、これは裕福層などに限った話のようで、輸入コストが増えたことに伴う物価上昇は庶民の生活を直撃しています。

 

 また、ロシア産石油や天然ガスの販売低迷の影響で、ロシアの財政収支は今年1月、2カ月連絡で赤字に。専門家は「戦争と制裁が長期化すれば、ロシア経済は着実に弱体化していく」と言います。一方、制裁をかいくぐってロシアの原油を運ぶ「影の船団」と呼ばれる闇タンカーの存在が指摘されており、その監視をどこまで強めるのか、各国の政治的な意思が問われています。(12版から1、3面)