毎日新聞・2月6日付朝刊「きょうのイチオシ!」   編集編成局次長・平地修

【ためらう娘に「米に行け」 ウイグル族学者、消息なく】

中国・新疆ウイグル自治区の人権問題を巡り、ノーベル平和賞の候補に毎年名前が挙がるウイグル族の経済学者、イリハム・トフティさん(53)の娘、ジュハル・イリハムさん(28)が毎日新聞の取材に応じました。ジュハルさんは18歳だった2013年2月、父とともに渡米する際、北京の首都国際空港で審査官に呼び止められ、ジュハルさんのみが出国を許可されました。

 

 「お父さんと一緒にいたい」と泣きじゃくるジュハルさんの肩を強引に押して「行け。行くんだ」と叫んだ父。14年9月に国家分裂罪で無期懲役の刑を言い渡され、17年以降は消息が途絶えています。ウイグル族への抑圧が続く中国。そのまま米国にとどまったジュハルさんは、「また必ず会おうね」という約束を胸に父の解放を訴え続けます。(12版から1、7面)