毎日新聞・2月2日付朝刊「きょうのイチオシ!」  編集編成局次長・平地修

【ケニア 中国鉄道で混乱 「一帯一路構想」立案・建設】

 

中国が進める「一帯一路」の一環としてケニアに2017年に建設された港湾都市モンバサと首都ナイロビなどを結ぶ鉄道。中国はケニア政府に約50億ドル(約6500億円)を融資し、立案から建設まで担いました。しかし、ケニア政府が貨物の鉄道利用を原則義務化したため、それまで輸送の主力だった長距離トラック運転手らが大量に失業。関連産業を含め地元経済に損失が生じました。中国への借金返済に対するケニア国民の不安も高まっており、中国との詳細な契約を拒む政府の姿勢に不信が渦巻いています。中国の巨大経済圏構想に揺れる現地からの報告です。(12版から1、3面)