毎日新聞・1月10日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集編成局次長・草野和彦

【赤ちゃんを調べる】生まれたばかりの赤ちゃんの遺伝子を調べて、病気が進行する前に治療に結びつける取り組みが始まっています。一人でも多くの赤ちゃんを救うためのすべを考える上下2回の企画です。初回は、脊髄性筋萎縮症という筋肉が動かなくなる遺伝性の難病に見舞われた兄弟の話です。兄は短い生涯を閉じましたが、弟は新たに開発された治療薬が投与され、1歳になった今では、治療を受けながら歩く練習ができるまでになりました。

 

 「兄がいたから、生まれる前から弟が同じ病気であることを予想し、早いタイミングで治療に臨むことができた」。兄弟の両親はこう考えています。一方で、家族に同じ病気の患者がいない場合は診断が遅れがちになります。だからこそこの両親は、生まれつきの病気をできるだけ早く見つける検査「新生児マススクリーニング」の対象疾患が増え、普及することを願っています。(12版から1、3面)