毎日新聞・9月18日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集編成局次長 麻生幸次郎

【抑留者「ハラダ」照らす旅】

 

4年前、「ハラダ・ミチハルについて知りたい」というロシア語のメールが、シベリア抑留研究の第一人者である大学名誉教授に届きます。今週の大型読み物「迫る」では、シベリアに抑留されたある男性の足跡を、名誉教授と旧知の毎日新聞記者がたどります。2人の調査と取材によって、スパイ罪で自由剥奪25年の刑を受けるなど、険しい抑留生活を送った「原田道治」さんの姿が浮かんできました。原田さんは、シベリアから家族に届けられた遺書の物語を描いたノンフィクション「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」の主人公とは、南満州鉄道(満鉄)調査部の後輩にあたり、主人公の死の間際に見舞う間柄だったことも分かりました。(一、三面)