毎日新聞・7月30日付朝刊「今日のイチオシ!」 コンテンツ編成センター長・中村寧

【旧統一教会の改名 申請拒否18年後に一転受理】

 安倍晋三元首相銃撃事件で容疑者が動機として言及した宗教団体・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の名称変更が国に認められた経緯に注目が集まっています。

 最初に申し出があった1997年に文化庁は霊感商法などへの批判をかわすための申請は認められないと拒否し、その後も同様の対応だったといいます。しかし2015年には一転して申請を受理し、当時の下村博文・文部科学相に異例の「報告」をしていました。最初に拒否した当時の宗務課長で元文科事務次官の前川喜平氏は、18年後に一転して受理されたことに「何らかの政治的な力が働いていなければ、前例を180度変えるような方針転換は起きない」と指摘します。

 

 下村氏は文化庁の部長決裁だとして自らの関与を否定。世界平和統一家庭連合は「文化庁に相談を重ね、15年に認証を受けた。世間の批判をかわすために名称を変えたかのような批判は的外れだ」と主張しています。改名をめぐる方針転換の経緯を追いました。(12版から社会面)