毎日新聞「今日のイチオシ!」  3月12日付朝刊  編集編成局次長・齊藤信宏

【強制不妊、東京も原告勝訴 高裁逆転2例目】

 

旧優生保護法の下で不妊手術を強制されたとして、東京都の男性が国に3000万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁が、請求を棄却した1審の東京地裁判決を変更し、国に1500万円の賠償を命じました。不法行為から20年で損害賠償の請求権利が消滅する「除斥期間」の適用を柔軟に解釈して国を断罪した形です。2月の大阪高裁に続き、高裁が国の責任を認めた意義は大きく、今後、国に救済策の見直しを迫る声がさらに強まりそうです。