「今日のイチオシ!」9月22日付毎日新聞朝刊

【ドイツのメルケル首相はなぜ長期政権を維持できたのか】

 

 ドイツのメルケル首相が26日の連邦議会選後に政界を引退します。2005年の就任時「欧州の病人」と呼ばれたドイツを「欧州の盟主」に押し上げたメルケル氏。なぜ16年の長期政権を維持できたのでしょうか。中道右派のキリスト教民主同盟に所属しながら、法廷最低賃金の導入や同性婚の容認といった左派寄りの政策も採用し、2011年の福島第1原発事故後は原発の稼働延長をあっさり撤回し、脱原発にかじを切りました。長期政権の鍵は、イデオロギーとは無縁で政治的妥協を通して解決策を探るメルケル首相の現実主義にあるといいます。(3面、12版から)