新聞配達に関する エッセーコンテスト

 第27回「新聞配達に関する エッセーコンテスト」(日本新聞協会主催)の入選作品集が発表されたので、県内の入選作品をご紹介します。

 普段何気なく(濡らさない、破らないなど気を付けていますが)配達させてもらっている新聞に対して、読者の方からの様々な思いを拝見すると励みになりますし、初心にかえりさらに気を付けて配達したいと思いました。

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新聞とのつながり

早川はやかわ 葉子ようこ(73歳) 新潟県妙高市

「順路を確認」
(朝日新聞社提供)

静かな山で2度目の冬を迎える私は「雪の日は大変ですから、春まで新聞を止めてください」と、一方的に新聞販売店に電話を入れた。「最後は自然の中で過ごしたい」と抗ガン剤治療を終えた夫のひと言で私は、思い出の多いスキー場近くに終えんの場を探し、古い空き別荘をみつけて移り住んだ。
 自然から頂く力強い生命力によって医師から告げられた余命も1年近く延びたが、雪に閉ざされた生活は夫をうつ病にしてしまった。夫が唯一、社会とのつながりを持っていた新聞を止めてしまったことを私は後悔した。私たちは新聞から得た情報で生活の質を高め、明日を生きようとする力を養っていたことに気付かされた。
 訳を話し、再配達をお願いした翌朝、凍りついた二重戸のすき間からビニール袋に入った新聞がみえた。私は命綱をつかんだようでホッとし、うれしかった。次の日、配達をねぎらうメモとくつ下2足を新聞受けに下げて、いつまでも新聞とのつながりを持ちたいと願った。